ライトノベル バッカーノ! レビュー

タイトル バッカーノ! The Rolling Bootlegs
著者 成田良悟
イラスト エナミカツミ
出版 電撃
発売日 2003年2月


執筆者:jade 評価:
この作品は1930年代のニューヨークを舞台に“不死の酒”を巡って、裏組織“カモッラ”のフィーロとマイザー、泥棒カップルのアイザックとミリア、エドワード警部補、マフィアのガンドール三兄弟、錬金術師のセラードと助手のエリスなど、様々な人間達が繰り広げるバカ騒ぎ(バッカーノ)を描いた物語です。

あらすじに“様々な人間たちが〜”とあるように、この作品は(一応ストーリーの語り部が主人公にあたるのでしょうが)特定の主人公がいません。言うなれば登場人物の誰もが主役級の扱いで、一人一人をそれぞれ別のカメラで追っていき、終盤に入って彼らの物語が交わってこのバッカーノという一つの物語が完成するって感じでしょうかね。そのため、頻繁に視点や場面が切り変わり、まるでアメリカの良作コメディ映画を見ているような気分にさせられました。
ただし、これは他の作品と一線を画すこの作品の最大の長所(個性)でもあるのですが、デメリットもあります。ある局面が盛り上がりかけたところで別の場面に切り替わることもしばしばあるため、イマイチ盛り上がりに欠けるんですよね。もちろんこれは構造的欠陥であって作者の力不足ではありません。むしろこの作者は素材を最大限に引き出してるとさえ言えます。まあ、この辺りは無いものねだりだと思って聞き流してください(笑

登場人物が採る行動が思いもよらない事態を引き起こし、それが後々意外な結末へと物語を導くなど、一つ一つの事柄に必ず意味があり、計算しつくされています。とても新人が書いたとは思えない非常に完成度が高い作品と言えるでしょう。


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